地震洪水停電オット?


“ナム・トゥアム”
今年初めて覚えたタイ語の単語。
意味は“洪水”。
今年のチェンマイは、市内を流れるピン川が氾濫し、3度の洪水に見舞われた。
幸いにも我が家は川から少し離れている為、洪水の被害には遭わなかった。
が、11月になろうとしている昨夜、洪水に遭った。
日が暮れてから降り出した雨が勢いを増し、ノンストップで約1時間近く降り続いた為、洪水になってしまったのだ。
しかも今年最高の水位を記録。
すっかり乾季突入と思い安心し切っていたので、不意打ちにあった気分だった。

我が家の近辺は、川の氾濫による洪水はさほど影響がないということが今回の市内の大洪水で判ったのだが、集中的な豪雨が30分も降り続くと、たちまち辺り一面が水に浸かってしまう。
家の前の道は一瞬にして川となる。
ウチの家はというと、さすがに床上浸水というのは未だ経験したことがないが、庭一面は完全に水没してしまう。
そんな洪水も数時間経てば自然と水はひくので、本物の洪水ほど深刻なものではないが、水がひいた後の大掃除がとにかく大変なので、夫は被害をなるべく最小限にとどめようと、大粒の雨の中、池と化した庭を一人ジャバジャバ駆け回っている。



洪水が年に片手で足りるほどの数だとしたら、停電は両手でも到底足りない。
今の日本じゃ考えられないだろうが、こちらは本当に頻繁に停電する。
予告無くブチッと電気が切れるもので、私の頭もブチッと切れそうになるが、イライラしても始まらない、ここはタイなのだから。
停電は2〜3時間で復旧することもあれば、半日以上かかることもある。
・・・そんな中、大活躍してくれるのが夫。
コンピューターの電源を落とし、UPS(無停電源装置)の線を抜き、家の中の主だった場所に置いてあるランプやロウソクに火を灯し・・・、と実に素早く軽やかな身のこなしなのだ。

娘が生まれる前の話・・・。
雨季の終わり頃、激しいスコールが途中で嵐に変わり大荒れの天気になり、停電+洪水というダブルパンチを食らったことがあった。
その時私はまさに晩ご飯を作ろうとしていた。
いくらランプがあるとはいえ、まな板と包丁がぼんやり映し出される程度の闇の中で、私はすっかり料理をする気をなくしていた。
そんな私に代わって夫が台所に立った。
ガスはプロパンなので、停電でも一応料理は出来る。
夫はランプの光を頼りに、冷蔵庫にある材料で野菜ときのこと鶏肉のお鍋を作ってくれた。
グツグツといい音を立てているお鍋は、干し椎茸ときのこが味全体にまるみを出していて、何ともいえない味だった。
よく暗闇の中でこんなにおいしいものが作れるものだな、と感心した。
・・・外は洪水。
雨は依然と降り続いている・・・。
雨のせいでじんわりと底冷えする中、ロウソクを灯したテーブルで、闇料理の闇鍋(!?)を2人でつついた。
やわらかい光の中、アツアツのお鍋を食べながらビールを飲んでいると、何だか気持ちまであったかくなってきた。
「たまにはこういうのもいいかもな」
と独り呟いた。


昨年はチェンマイで地震があった。
震度が観測されないほどの小さな地震で、実際私たちも全く気付かなかったのだが、こちらでは地震なんて本当に珍しいので少し驚いた。
タイはほとんど地震がない国なので、建物は耐久性等ほとんど考えずかなりいい加減に建てられている。
なので、もしも本当に大きな地震があったら!? と考えると身の毛がよだつ。
そんな訳で、「もしもまた地震が起きたら・・・」「しかも夜中に・・・」という設定で、夫と2人真剣に話し合った。

「もしグラっと揺れたら、まず○○部屋へ逃げろ。なぜなら○○部屋は・・・」
と夫は家の構造をじっくり観察した上での分析から、的確なアドバイスをくれる。

「わかった。○○部屋ね」

「もしどうしようもなく揺れがひどくて建物が崩れそうな時は、娘を連れてベランダへ出て、1階に飛び降りろ」
と夫。

「ん・・・?! えぇぇ〜〜!! 2階から飛び降りるの?!
私どんくさいのに大丈夫かなー・・・」

よりによってどんくさい私が娘を連れ出さなくても、と思ったが、夜寝ている時、ほんの少しでも娘が声を出そうものなら、その声にすぐに反応して飛び起きてしまう私。それはもう条件反射としか言いようがなく・・・。恐らく母親の本能ってヤツなのだろう。
一方夫はというと、私と同じように娘の隣で寝ていてもそうはいかない。どうしても少し出遅れてしまうのだ。
なので、そういった面では、夫は私にほんの少し信頼を寄せているようなのだ。

布団の中で横になりながら、夫に言われたように、頭の中で娘を毛布でぐるぐる巻きにして、ベランダの柵を乗り越え「いち にの さん」で少し小高くなっているソテツの木の辺り目掛けてに飛び降りるところを何度も何度もシミュレーションしてみる。
すると、上手く出来そうな気分になってくるのだからホントに不思議。(ってか、単に楽観主義なだけ?!)
“備え有れば憂い無し”ではないが、何事も下準備(心の準備)は大切。
特に私のようにちょっとしたことでもパニックになってしまうような人間には・・・。


とかくブルーな気分になりがちな洪水、停電もその状況を逆手にとって楽しんでいる夫を見ていると、どんな状況でも人間は楽しめるものなのだな、と思い知らされる。
サバイバルに関しては、実践、知識共に恐らくかなり上をいくであろう人がそばにいてくれるのは、ホントに心強い。
しかし、私も一児の母になったのだから、いい加減もう少ししっかりせねば、と自分を叱咤する日々である。



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